神仏霊場36 奈良23番



♦周囲の札所♦

山岳寺院だけあり、徒歩でのアクセスは困難。最寄りの近鉄室生口大野駅からふた駅で長谷寺に到着する。

室生寺は想像以上に見所が多く、特別拝観ということで御本尊を近くで見ることができ、非常に満足でした。帰りに買ったよもぎ餅も美味しかったです。

 建物の前方がせり出している懸造(かけづくり)のこの金堂、特別拝観ということで中に入り、間近で国宝の十一面観音像を拝ませていただきました。ちょうど尼僧の方が読経されていました。歴史を重ね、木の暖かさを感じさせる建物、そして柔和な顔をされた仏様と向き合い、心が洗われます。

 金堂のすぐ近くにある弥勒堂のそばの石段を登ると、今度は五重塔、そして本堂である灌頂堂が見えます。

 山岳寺院の場合、このように石段の登るたびに次の伽藍が見えてくるので、次は何があるんだろう?と楽しくなってきます。

 この五重塔は屋外にある五重塔としては日本最小のものだといいます。確かに、東寺薬師寺の五重塔を見てきたせいか、確かにちっちゃいなという印象でした。一乗寺などの三重塔より低いのではないかと思います。しかし周りの風景と調和した美しさを放っています。

 御朱印は灌頂堂の中でいただけます。御朱印を書いていただいた女性の方に山号「宀一山(べんいちさん)」の由来(室生寺を略した物である)といったことを教えていただきました。御朱印は神仏霊場の他に如意輪観音、国宝十一面観音のものをいただきました。オリジナルの御朱印帳もこちらで購入しました。

 ここまででも十分満足なのですが、ある意味室生寺の醍醐味はここから。五重塔の脇にある石段を登り、奥の院に向かいます。石段といってもの、これまでとは比べ物にはならない傾斜が長く続きます。そして、絶壁ともいえる斜面に懸造の位牌堂と弘法大師をまつる位牌堂(太子堂)があります。

 何もそんなに無理してせり出させなくても…といいたくなるほどのせり出しっぷりです。

 奥の院は弘法大師と如意宝珠の御朱印をいただき大満足で下山。帰りのバスは駅の一つ手前のバス停で降りて大野寺に立ち寄ります。こちらは枝垂れ桜で有名なのですが、もちろんまだ咲いていません。しかし、もうひとつの見所があります。

 境内にはご覧のとおり、本堂とは別に、境内の外を向いた建物があるのですが、実はこの先の川の向こうの大きな岩に仏様が彫られています。写真真ん中辺りの白い部分が仏様です。だいぶかすれてきたのか、仏様の姿はそれほどはっきりとは見て取れませんが、仏様であること、そしてその優しい雰囲気は伝わってきます。

 こちらでも御朱印をいただきました。歩くのにも、筆を選ぶのにも多少苦労するお年をめした女性が丁寧に書いてくださいました。

 ここから10分弱歩くと室生口大野駅に到着、ここから長谷寺に向かいます。