神仏霊場141 滋賀9番


♦周囲の札所♦

距離的には湖東三山の西明寺金剛輪寺が近いが、相互をつなぐ公共交通機関はない。ゴールデンウィークや紅葉の時期にはJR河瀬駅、近江鉄道尼子駅からシャトルバスが出るので、三山合わせて参拝するならその時期に。

伽藍の規模や数では西明寺、金剛輪寺には及びませんが、杉の木や石垣などせいか最も山寺らしい雰囲気があるように感じました。本堂への参道はいくつかのコースがありますので、時間をかけて山寺の雰囲気を楽しむのもいいかもしれません。

 参拝を終えて、拝観受付の辺りに戻り、庭園に入ります。

 ここは庭園自体の美しさはもちろんですが、小高い丘のようになっている部分があり、そこからの眺めも必見です。縁側に座ってゆっくりしたり、鯉に餌をやることもできます。

 御朱印は拝観前に御朱印帳を預けて帰りに受け取ります。表門の所に御朱印はこちらと案内が出ています。

 本堂の御本尊である如意輪観音半跏像は秘仏とされていますが、特別公開されていましたので、ゆっくりと拝観しました。

 仁王門から仰ぎ見る本堂も美しかったですが、逆に本堂から仁王門を見下ろす風景も非常に美しかったです。花粉症のせいもあり悪者になっている杉や桧ですが、その真っ直ぐと伸びる姿はやはり凛々しいです。

 百済寺の主だった伽藍はこの本堂と鐘楼ぐらいです。西明寺金剛輪寺のいずれにもあった三重塔もありません。しかし、昔は立派な五重塔、そして現本堂の4倍ほどの規模を誇る本堂があったそうですが、火災や織田信長による焼き討ちの後、それらは再興されないままとなっています。

 仁王門を超えて見えてくる風景は非常に荘厳です。なだらかに続く石段、城壁のような石垣、そしてその向こうに見える堂々たる本堂。五木寛之氏もこの眺めを絶賛したそうです。

 本堂自体は大きなものではありませんがとても美しいです。公式サイトでは、「均整のとれた建造物」と説明されていますが、まさにそのとおりです。