08時31分 180町石〜(九度山駅発、慈尊院、丹生官省符神社)

 南海高野線の九度山駅に到着したのが午前8時半。駅でトイレや飲み物の購入などを済ませて、町石道のスタート地点である慈尊院と隣接する丹生官省符神社に向かいます。駅から慈尊院までの距離は約1.5キロ、30分弱で到着します。

 まずは慈尊院でお参りをした後、オリジナルの御朱印帳を購入し、御朱印をいただきます。神仏霊場の札所である慈尊院の御朱印はすでに以前いただいていましたが、町石道の途中でいただける慈尊院、丹生官省符神社、丹生都比売神社と高野山大伽藍、奥の院の御朱印を1冊の御朱印帳にまとめ、参拝の記録にします。

 そして地図を兼ねて「高野山町石道押印帳」を頂きます(無料)。慈尊院の納経所のそばに置かれています。

180町石

慈尊院から丹生官省符神社に向かう石段の途中にある

 慈尊院で参拝を終えて、御朱印をいただいた後、すぐ裏手にある石段をのぼり、丹生官省符神社に向かいます。その石段の途中、右側に町石道の起点となる180町石がありますので、見逃さないようにしましょう。

 そして丹生官省符神社でも参拝を終え、本格的に町石道に入っていきます。

09時21分 179町石〜(勝利寺、展望台)

 丹生官省符神社の本殿に向かって右側、社務所の側の道を進み、町石道に入り、ほんの1分ほど歩くと、右側に急な石段と立派な朱塗りの門の勝利寺が見えます。住職のいない無人寺だそうですが、綺麗に手入れされており、あじさいがちらほら咲き始めていました。境内にはこの地方の名産である和紙の技術を伝える体験型資料館「紙遊苑」があります。

 勝利寺から町石道に戻り、鬱蒼とした木々に囲まれた道を進みます。しかし、少し歩くとパッと道がひらけ、柿の木の畑に出ます。参詣道という厳かさとはちょっと違う、スカっと爽快なハイキングコースといった感じです。

 町石道はところどころ傾斜のある箇所もありますが、全体的にそれほどきついコースではありません。案内に「急な登り坂」と書かれている箇所も、実際はそれほどのものではありません(中山寺奥の院〜清荒神清澄寺のコースのようにロープがないと登れないというようなところはないです)。駅から奥の院までの約28キロ、8時間ほどで踏破できました。

 ただし、一度歩き始めると駅や公共交通機関にアクセスできる箇所から離れてしまうので、途中でリタイアするにしろある程度歩く必要があること、ぬかるみで足場が悪いところがあるなどは注意が必要です。また売店や自動販売機も限られているので、食料や飲み物はきちんと確保して置かなければいけません。

町石とは?

 109メートルごとに立てられた約3メートルの五輪塔型の道標のこと。元々は木製だったものが、鎌倉後期に石碑に変えられたそうです。町石道は案内もしっかりしており迷うことはないとは思いますが、歩いていても町石を全然見かけない場合は道を間違っている可能性が高いので、自分の位置を知るためにも町石は注意してみるようにしておきましょう。

 そんな道を20分ほど歩くと展望台に到着します。麓の紀の川やそこに架かる道路、橋本の辺りの市街地などが一望できます。

 朝が早かったせいもあり、少しお腹が減ったので、ここでスナックをかじり、少し休憩したあと出発します。

10時05分 163町石〜(雨引山分岐、六本杉峠)

 展望台を出てしばらく歩くと、コンクリートで舗装された道が途絶え山道になります。そして、道の両側には高くまっすぐ伸びた杉の木が目立つようになります。「参詣道」の一般的なイメージに近い雰囲気です。ところどころ傾斜のある登りで汗もかきますが、木陰で涼しいため、道が平坦になるとすぐに汗も引きます。

 154町石の辺りで雨引山の山頂に向かう分岐があります。往復でも30分ほどの距離のようですが、分岐には入らず、まっすぐ町石道を進むことにします。

 その先、確か147町石辺りだったと思いますが、お地蔵様のような姿をした大師像があります。そこからさらに進むと144町石と一里石が並んで経っています。慈尊院から1里、つまり約4キロ進んだということです。

 136町石で丹生都比売神社との分岐があります。丹生都比売神社を回ると2.5キロほど距離が長くなりますが、せっかくなので立ち寄ることにしました。