丹波古刹6番 達身寺
高山寺参拝を終えて、達身寺に向けて歩きます。国道78号線沿いを歩いていれば迷うことはありません。
また、途中に地元の名産物を販売する「かどのの郷」があり、喫茶スペースもあるようなので、腹ごしらえや帰りのバスの時間調整なども可能です。
高山寺からかどのの郷までが約40分、そこからしばらく歩くと道が二股に分かれていますが、「子午線の通るまち」と書かれた看板のある方に進みます。そこからさらに20分ほど、のどかな山や田畑の中に達身寺の茅葺きの屋根が見えてきます。
達身寺
11/05/26
丹波古刹十五ヶ寺霊場 6番
♦アクセス♦
JR福知山線柏原駅または石生駅から佐治行または大名草行バスで「成松北町」で下車し徒歩1時間
駅からはもちろん、バス停からもずいぶん遠くの所に位置しているのですが、すぐ近くに農家が建っている普通の村落の中にある、人の気配というか、生活感のあるお寺です。
正面から見ると、簡素な本堂です。本堂前で女性が掃除をされていたので、その方に拝観をお願いしました。そうすると、本堂に通され、さらにその奥の宝物殿へと案内されます。
まずは本堂とつながっている宝物殿には、多数の仏像がありますが、いずれもかなり傷んでおり、手足が欠けているものも多数あります。
そこから一度建物の外に出て、さらに奥に行くともうひとつの宝物殿があり、こちらには御本尊である阿弥陀如来像や薬師如来像、十一面観音像など、数多くの仏像が非常にきれいな状態で残されています。特に阿弥陀如来像は、その大きさと鮮やかさに圧倒されます。
達身寺には、この御本尊を始め11の国の重要文化財を所蔵しており、別名「丹波の正倉院」と呼ばれています。
案内してくださった女性が、色々とこうした仏像の由来を解説してくださいます。ただ、いずれも「伝説」、謎が残ったままとのこと。お聞きしたいくつかのお話を紹介すると、
・達身寺は仏像の工房であり、多くの仏師が滞在していた。だから多数の、それも同じ仏像が複数あった
・都から遠くはなれているということで、他の寺院から仏像を戦火から守るため預けられてそのままになった
などです。仏像のお腹がポコッとでっぱった独特の様式もあるようなので、工房があったという説は、かなり有力なのではないかな、と思いますが、本当のところはどうなんでしょうか。
宝物殿の仏像はいずれも、本当に立派で見ごたえのあるものです。残念ながら写真撮影は禁止のため、写真を紹介することはできませんが、ぜひ一度見ていただきたいです。
ひと通り解説が終わると、「ではごゆっくり」と案内してくださった女性がいなくなります。解説もお聞きでき、かつ静かに手を合わせられる、ベストな対応です。
住職がいらっしゃったので、丹波古刹の書置きの御朱印に加え、目の前でも書いていただけました。右肩に「御本尊阿弥陀如来像」と印が押されている以外は同じです。
本堂入ってすぐのところに、お土産物などがたくさん置かれているスペースがあります。手作りのものは、檀家さんの物だそうです。宝物殿を案内いただいた方もお寺の方ではなく檀家さんでした。これだけ強く檀家とつながっているお寺というのもそうそうないのではないでしょうか。
御朱印をいただいた後、境内をブラっとしました。広くない境内ですが、お庭は綺麗に手入れされており、少し小高くなったところから見下ろす本堂の茅葺きの屋根も美しかったです。
ゆっくりと拝観を終えて、来た道を戻り常楽のバス停に向かい、柏原駅に戻ります。そこで、三重塔のある神社として有名な柏原八幡神社など、柏原駅周辺を少し観光した後、特急こうのとりに乗って帰宅しました。