丹波古刹十五ヶ寺霊場 1番


♦アクセス♦

JR福知山線南矢代駅から徒歩1時間ほど。住所は「兵庫県篠山市真南条上1474」で、公式サイトのグーグルマップのリンク先もその地点を指しているが、実際にはそこから2キロほど奥に進んだところにあるため注意が必要

 iPhoneのMapアプリでルート検索すると、小川沿いのあぜ道を案内されます。こんな道まで登録されているのか…と感心しますが、一部雑草などが刈り取られていないところもあるので、歩きやすさ重視だと、国道372号線沿いなら歩道も整備されています。

 そしてしばらく歩くと、小川に架かった橋とその先に山門が見えます。山門からは新緑の美しい参道が観音堂まで続きます。

 丹波古刹の公式サイトによると、駅から徒歩40分ということになっていますが、実際歩いてみると、人並みより歩調は早いほうだと思いますが、1時間以上かかりました。

 天気も良く気温もどんどん上がってきて、汗だらだら、心なしか日焼けもしてしまいましたが、普段とは違うのどかな風景の中を歩いているのはとても気持ちよかったです。

 国道沿いには看板も出ていますが、そこからさらに2キロほど歩きます。国道からの道はさらにのどかに。水田や茅葺屋根の農家、そして大きな池があります。この池、人工のものだと思いますが、水面がきれいな青色でした。

 縁起によると、昔は数々の伽藍を抱え隆盛を誇っていましたが、明治期に財源である山林が国有地となり荒廃が進み、現在も観音堂と鐘楼を残すのみ、本堂の再建にも至っていない状況です。

 しかし、観音堂の隣にはコテージ風の建物があり、ウッドデッキの休憩所のような場所もありました。年に1度、農業を志す若者が集まって語り明かす「農業の聖地」になりつつあるそうです。

 境内のすぐそばに小川が流れており、絶えず水の流れる音が聞こえてきます。木々の緑と相まって、心落ち着きます。

 観音堂でお参りを終え気づくと足元に1匹の犬がじゃれついています。住職の飼い犬なのでしょうか?すごく人懐っこく、一切吠えることもなく、カメラを向けても逃げません。

 境内自体はこじんまりとしていますが、800メートルほど登ったところに、奥の院ともいうべき愛宕堂があります。

 愛宕山の登山道としても整備されており、石段などがあり案内のとおり登れば危険なことはありません。ただ、愛宕山の山頂へのルートは結構きつい山道らしいので、今回はパスし愛宕堂のみとしました。

 普通の道なら1キロ、2キロぐらい平気で歩きますが、やはり山道だと300メートルぐらい進んだところで息が切れます…。ちょくちょく休みながら進みました。

 残り200メートルほどのところでだいぶ朽ち果てた鳥居と石段が見えました。見上げるとすごい傾斜。 石段を登ればまっすぐ愛宕堂に到着しますが、 危険だということで立ち入り禁止になっており、案内のとおりぐるっと回って進みます。

 入口から約30分、愛宕堂に到着しました。訪れる人も少ないのでしょうか、荒廃が進んでいます。先程の立ち入り禁止になっていた石段を見下ろしてみると、いつ崩落してもおかしくない様子。そもそも、もし崩落しないにしても、この急な石段を手すりなしで昇り降りするのはかなり危険では…。

 国道から龍蔵寺への道に入ると、店はもちろん、自動販売機も一切ありません。特に暑くなる季節、愛宕堂まで登ろうという場合は、事前に飲み物などを確保しておいたほうがいいでしょう。のぼりは結構疲れましたが、その分、静寂に包まれた愛宕堂の辺りの雰囲気が身と心に染みました。

 御朱印は観音堂に御朱印と書かれた封筒に縁起などと一緒に入れられ置いてあります。