丹波古刹十五ヶ寺霊場 2番


♦アクセス♦

JR福知山線篠山口駅から篠山口営業所行のバスに乗り約20分の終点で下車。そこから徒歩約1時間。寺院すぐ近くに乗合タクシーの乗り場があるが、本数は非常に少なく、土日祝日は事前予約が必要。詳しくはこちら

 ちょうど田植えの時期、水の張られた田んぼや緑深い山々、そして農家。ノスタルジーを掻き立てられる風景です。太寧寺までの道はこうした田んぼの中の道もありますが、基本的には道幅の広い車道沿いを歩きますので、迷うことはありません。車道の道端にもきれいな野花が咲いています。

 禅宗の寺院らしく境内は簡素で、本堂、庫裏の他には経蔵と鐘楼があるぐらいでした。経蔵の辺りからは境内を一望することができます。

 そんなのどかな道を歩くこと約1時間で太寧寺に到着です。

 周りはのどかではあるのですが、石龕寺などと違って、山寺という雰囲気はありません。神護山太寧寺と書かれた石碑を越え少し歩くと、丹波古刹霊場ではもうおなじみの石段の参道があります。段数はそれほど多くなく、傾斜も緩やかです。

 その石段の登り切り、正面に見えるのが本堂です。 

 平成に入ってから再建されたものですので、まだまだ新しく、お寺というよりは農家のお屋敷という印象です。

 帰りはまっすぐバス停に向かわず、篠山城跡の辺りを散策しました。篠山営業所バス停の少し手前で篠山城跡のほうに向かうと、古い街並みの面影を残す河原町商家群があります。カフェやお土産物屋さんが並んでします。10分ほど歩くと篠山城跡に着きます。建物としては再建された大書院が残るのみですが、小高いところに位置しており、そこからの眺めはなかなかのものでした。

 城跡の近くにバス停から篠山口駅へ、そこから次の龍蔵寺の最寄り駅の南矢代駅に向かいます。

 ちょっとビックリしたのがトイレ。トイレというと不潔なところというイメージですが、その中に仏様がおまつりされていました。仏様の視線を背中に感じながら用をたす、というのはなかなかない経験です。

 こんなところに仏様をおまつりするのは不謹慎な、と思ったのですが、禅宗ではトイレのことを東司(とうす)と呼び、重要な伽藍に数えられると言うので、そのためなのかもしれません。

 御朱印は本堂の中でいただけます。本堂でお参りを終えた後、書置きの御朱印をいただいていると、 住職が出てこられました。「今日はいい天気でしたね」など少し世間話をし、5月半ばとは思えない暑さ、1時間ほど歩いて汗だくでしたので、 少し本堂の中で休ませていただきました。

 また、この日は灌仏会(花祭り)ということで、甘茶をいただきました。