神仏霊場41 奈良21番



♦周囲の札所♦

近鉄大阪線榛原駅から近鉄吉野線大和上市駅まで出てそこからバスで丹生川上神社上社に。ただし、乗り換えに時間がかかり、バスの本数も少ないため、事前の確認が必要

晴れていたらもっと綺麗な風景を楽しめたのかな…と思いますが、雨は雨なりに美しかったです。交通の便がよくないのですが、村内はそれほどの高低差はありませんので、神社参拝とあわせて、ゆっくりと散策するのがおすすめです。ただし、帰りのバスの時間をしっかりと確認しておかないと帰れなくなります…。

 吉野郡東吉野村に鎮座し、近鉄大阪線の榛原駅から大又行のバスに乗り、約50分の蟻通バス停でおります。榛原駅は宇陀市の中心的な駅ということもあり、駅前にはコンビニなどもあり、それなりに栄えていますが、バスに乗り30分もして東吉野村に差し掛かったころには一気にのどかな風景になります。

 蟻通のバス停は、神社正面の大鳥居を少し越えたところにあります。バスを降りて鳥居に向かう途中に末社がありました。こちらは徳川家康公をまつる東照宮神社ではないかと思います。

 すぐ目の前には高見川が流れています。あいにくの雨模様でしたが、そのせいか川の向こうにむえる山にもやがかかっていて幻想的な雰囲気でした。

 鳥居をくぐり境内に入ります。拝殿は落ち着いた雰囲気です。その奥の本殿には階段(回廊)がかかっています。丹生川上神社3社はいずれもこのような造りになっているようです。

 階段の方からは仰ぎ見るしかありませんが、裏に回って本殿を見ることができます。本殿を中心に、東殿、西殿と3つの社殿が並んでいます。うっそうと生い茂る杉の木と雨もやが、なんともいえない神聖さを醸し出しています。

 本殿の近くには樹齢約800年、2本の杉が仲良く並ぶことから夫婦円満などのご利益があるという「相性の杉」、拝殿向って右側には樹齢約1,000年「叶えの大杉」などの巨木もこの神社のみどころのひとつです。

 社務所で御朱印をいただいた後は、せっかく来たのだからということで、東吉野村を散策することにしました。とはいえ、バスの便は非常に少ないので、ほぼ徒歩移動です。

 丹生川上神社を出た後は、高見川の流れを眺めたり、近くのお寺に立ち寄ったり、小高い山(丘)に登ってみたりして、村役場の方に向かいます。この辺りには尊皇攘夷派の天誅組の史蹟が数多く残されています。役場近くの宝仙寺は天誅組の菩提寺です。距離としては3キロほどですが、小雨の降る中、車道だけでなく山の中を歩いたのでなかなかハードでした。しかし山からの眺めは最高でした。

 村役場から今度は、伊勢街道沿いを中黒地区に向けて歩きます。丹生川上神社下社まで35キロということで歩けないことはないかな…と思いつつも、そこは諦めて、街道沿いにあるお寺や神社をいくつか巡りました。残念ながら無住または留守だったため、内部の拝観や御朱印をいただくことはできませんでしたが、のどかな風景の中を歩くのはなかなか気持ちよかったです。

 伊勢街道は高見川と並行しており、川と山の作る景色はとても美しかったですし、厳島神社という神社が、小さいながらも、苔生す階段など感動的ですらありました。

 丹生川上神社に村内の案内パンフレットがあるのでもらっておきましょう。

 十分散策した後は、バスに乗って「たかすみの里」という温泉施設に。露天風呂もあり、また人も少なくゆっくりと疲れを癒すことができました。

 ここから榛原駅へ戻るには、一度鷲家バス停まで戻って、そこから駅に向かうバスに乗るのですが、時間が合わなかったので、鷲家までは歩くことに。距離にして約9キロ。せっかく温泉で疲れを癒しましたが、雨がどんどん激しくなってきて疲れがぶり返してきました。眺めを楽しみながら歩くことが出来ました。途中、車すら通らないトンネルなどもありました。そして、鷲家の伊勢街道の道標にたどり着いたときは本当に嬉しかったです。

 バス停でバスの時間を確認した後、近くにあるレストランで休憩して無事、帰路につきました。