神仏霊場1 和歌山1番



♦周囲の札所♦

JR紀伊本線で20分ほどの那智駅または紀伊勝浦駅からバスで熊野那智大社、青岸渡寺に。またバスで1時間ほどで熊野本宮大社に

「新宮」という地名は、「熊野本宮大社」に対する新宮かと思いましたが、実は元宮である神倉神社に対して、速玉大社が新宮であることが語源のようです。熊野三山の中では唯一、駅から近い便利な場所にあります。しかし、そもそも新宮駅が遠いのですが…。

 鳥居をくぐりしばらく進むと天然記念物の御神木ナギの木が見えてきます。樹齢1,000年以上の日本最大のナギの木だといいます。そのナギの木を越えると、立派な御神門があります。

 拝観を終えた後は、徒歩で15分ほどのところにある神倉神社に向かいます。

 前述のとおり、熊野の地で最初に神様が降り立った土地にある巨石をまつる神倉神社は速玉大社の元宮といわれています。

 神門をくぐると正面左側にあるのが拝殿があります。拝殿奥には熊野夫須美大神をまつる第一殿結宮、熊野速玉大神をまつる第二殿速玉宮があります。そして、その向かって右側にずらりと第三殿から第十二殿までが並びます。その前にある社殿は鈴門と呼ばれています。

 社殿はいずれも昭和40年代に建て替えられたといい、まだまだ鮮やかです。歴史を経て趣きのある寺社ももちろん魅力的なのですが、歴史のだかだけでなく、現代においても信仰が生きている現れであり、また創建当時はこうだったのだろうと思わされるので、嫌いではありません。

 神門の脇に「世界遺産」と彫られた石があり、無料のお茶がセルフサービスで振舞われています。日差しも強く、新宮駅から歩いてだいぶ暑くなったので、この木陰で少し休憩しました。

 御朱印は拝殿の向かいにある授与所で頂きます。神仏霊場の御朱印のほか、オリジナルの御朱印をいただき、元宮神倉神社の御朱印も頂きました。

 神倉神社までの道は、途中スナックが軒を連ねるエリアがあったり、ちょっと古びたというか趣のある木造住宅が並んでいます。神倉神社のすぐ手前にあった小学校は体育館も木造でした。

 またちょうど道中半分ぐらいのところにかき氷屋さんがあります。観光客はもちろんのこと、地元の人もひっきりなしに訪れ、店の前でかき氷を美味しそうに食べていました。

 神倉神社のご神体である巨石までは500段ほどの石段を登らなければいけません。この石段、特に前半はかなり急でかつ段差がマチマチ、幅も狭く次の歩をどこに乗せようか迷ってしまうほど。しかも手すりなどはなく、登り以上に下りは本当に怖くなります。

 しかし登る価値はあり。御神体、そして拝殿のあるあたりからは新宮の街と海を一望することができます。この景色の綺麗こと!一見の価値があります。風も爽やかです。しばらく休憩してから急な石段を下ります。

 なお神倉神社には社務所らしき建物がありますが、基本無人のようです。御朱印は速玉大社でいただけます。

 神倉神社から新宮駅までは徒歩15分ほど。駅に到着してしばらくしてホームに入ってきた電車に乗って、ホテルのある紀伊勝浦駅に向かいます。まずは1日目終了、翌日に熊野那智大社、青岸渡寺を回ります。