大阪と奈良の境界にある生駒山の山腹に伽藍が立ち並ぶ古刹で、古くから信仰を集めていた宝山寺、役行者が開祖で、空海も修行に訪れたといわれています。
御本尊は不動明王で、神仏習合の色合いが濃く、鎮守神として歓喜天を祭り、生駒聖天の呼び名でよく知られています。
現世の利益をもたらしてくれるといわれ、今でも多くの参拝者が訪れています。
宝山寺
2011/12/24
神仏霊場29 奈良16番
♦周囲の札所♦
近鉄生駒駅から富雄駅まで出てバスで霊山寺に。その他、近鉄沿線の西大寺、唐招提寺、薬師寺などにも移動しやすい。
山寺らしい落ち着いた凛とした雰囲気がありながら、多くの参拝者が訪れ賑わいもある。そして駅から奥の院まで歩けばちょっとしたハイキング気分も味わえる、本当に素敵な寺院です。
宝山寺までは、近鉄生駒駅から徒歩すぐのケーブルカー鳥居前駅に向かい、そこから一駅の宝山寺駅でおり歩きます。ケーブルカーに乗らず、歩いても30分ほどですが、ケーブルカーは猫をかたどったユニークなものなので、ぜひ一度乗ってみてください。
宝山寺駅を降りると、石階段の続く趣ある参道が続きます。参道沿いには何軒かの旅館があります。こちらの旅館、普通に泊まることも可能なのでしょうが、今でも現役の「新地」でもあるので注意が必要かもしれません。
その参道を進むと石灯籠がずらっと並び、その先に鳥居が見えてきます。
ずらっと並ぶ石灯籠は圧巻で、歩いている自然と気持ちが引き締まります。そして鳥居も非常に大きく立派なものです。
その鳥居をくぐると、右手側に駐車場と自動車の祈祷が行われる金剛殿があります。そして惣門をくぐり左手には地蔵堂、右手には売店があります。
ケーブルカーで上がって来たということもあり、この辺りからも生駒の市街地が見下ろすことができます。
惣門をくぐり階段を登ると中門があり、その先に本堂と聖天堂があります。写真手前側が本堂で、その奥が聖天堂の拝殿です。
本堂は巨大という訳ではありませんが、どっしりとし構えです。聖天道の拝殿は、中に入り参拝することができます。
その向かいに庫裡があり御朱印はこちらでいただくことができます。その他、茶屋や休憩所などもあります。
これだけでも立派な寺院なのですが、さらに生駒山の中腹に向かう道中に、多宝塔、大師堂、奥の院などの宇堂が立ち並んでいます。
まずは聖天堂脇の階段を登り、文殊堂、観音堂などを過ぎると立派な多宝塔が見えてきます。
この多宝塔の前からは生駒市街地、本堂、聖天堂を一望することができます。多宝塔も周りの紅葉と相まって非常に美しかったです。
多宝塔から、両側にお地蔵様の並ぶ参道をさらに奥の院に向け進みます。途中、五社明神、大師堂、水掛地蔵などがあり、それらを参拝しながら15分ほどで奥の院に到着します。
奥の院からさらに少し奥に進むと、湛海律師をまつった開山堂、開山陵があり、奥の院の裏側には大黒堂があります。大黒堂は少し見落としやすい場所にあるかもしれませんが、ぜひ訪れてみてください。
とにかくこの大黒堂からの眺めが素晴らしい!この日はちょうど、もやが雲海のようになっており、色付いた紅葉と相まって非常に美しかったです。
ひと通り参拝を終えて、きた道を戻り、庫裡で御朱印をいただきます。そして再度、本堂、聖天堂のあたりをぶらりとしていると、聖天堂の裏の山肌に何かあることに気づきました。阿弥陀菩薩像で、奥の院までの途中にある遥拝所はこの阿弥陀菩薩様を参拝するのに適した場所ということで、そう名付けられたそうです。
大満足の参拝を終え、生駒駅まで戻り、次の霊山寺に向かいます。