平等院といえば、栄華を極めた藤原氏ゆかりの寺院で、平安時代の浄土信仰を体現したものとして知られています。また、十円玉に描かれた鳳凰堂も有名です。
京阪宇治駅からは、宇治川を渡り、徒歩10分ほどで到着します。源氏物語宇治十帖縁の地ということで、途中には紫式部のモニュメントなどもあります。景観に気を配っているのか、宇治川に架かる橋も美しく、ゆっくり歩きたい参道です。
平等院
2011/11/06
神仏霊場125 京都45番
♦周囲の札所♦
三室戸寺まで徒歩で20分。または、京阪宇治線の宇治駅からひと駅の三室戸寺駅まで出てそこから徒歩15分
さすがというか、拝観開始の8時半前から多くの観光客が開門を待っていました。9時をすぎるころにはさらに増えてきました。ゆっくりと美しい鳳凰堂を満喫するためには、ぜひ拝観時間前に並び、境内に一番乗りすることをお勧めします。
拝観受付を済ませて境内に入ると、綺麗に手入れされた参道、左手側に「扇の芝」と呼ばれる庭園、その奥に観音堂があります。
そしてさらに進むと鳳凰堂が見えてきます。歴史の教科書などで見る印象よりも小さいな、と感じましたが、正面から見るとまさに鳳凰が翼をひろげている姿といわれるとおり、本当に美しくため息が出ます。
この鳳凰堂は何があっても、一生に一度は絶対に見ておくべきものだと思います。中央の扉が開いており、御本尊である阿弥陀如来像を外からでも見ることができます。
別料金をお支払いすると鳳凰堂の中に入ることができます。拝観時間が決まっており、事前に整理券を手に入れる必要があります。各回定員があるので、拝観を希望される場合は早めに並びましょう。
鳳凰堂内部は撮影禁止のため、写真はご紹介できませんが、間近で見る阿弥陀如来像、壁面に描かれた極彩色の絵画は必見です。
また、鳳凰堂内の拝観が始まると鳳凰堂の写真に拝観者が写り込んでしまいますので、綺麗な鳳凰堂の写真を取りたい場合は、ぜひ開門時間の8時半に境内に入り、堂内拝観が始まる9時半までに思う存分、鳳凰堂の美しさを堪能するのがおすすめです。早起きは三文の得です。
現在平等院は浄土宗系の浄土院と天台宗系の最勝院が管理する単立の寺院となっています。いずれも鳳凰堂の西側に位置しています。
浄土院は一般的な寺院といった雰囲気のお堂で、近くには天井に描かれた龍が美しい羅漢堂があります。浄土院では「鳳凰堂」の御朱印をいただくことができます。
最勝院にはこじんまりとした不動堂、源頼政の墓などがあります。こちらでは、鳳凰堂の御本尊である阿弥陀如来の御朱印をいただけます。
境内はこじんまりとしていますが、庭や木々が綺麗に手入れされています。
いずれの御朱印も非常に達筆で、書いていただいた方も非常に感じのよい方でした。浄土院の納経所には御朱印帳やお守り、おみくじなども置かれています。
鳳凰堂からその前にある阿字池をぐるっと周り、奥に進むと鐘楼があり、さらにその奥には、平等院の貴重な国宝などを収めた鳳翔館という博物館があります。
鳳翔館は非常に近代的な建物です。建築家の栗生明の代表作とされ、日本芸術院賞など、数々の建築関連の賞を受賞しています。
内部には、もともとは鳳凰堂にあった雲中供養菩薩など、圧巻の展示物が続きます。また、CGを利用した堂内の再現映像などを鑑賞することができます。ミュージアムショップでは平等院ゆかりのグッズが販売されており、トランプなど少し変わり種のグッズもあります。
鳳翔館の見学を終えて、再度鳳凰堂の前に。何度見ても美しく、時間を忘れて、本当にいつまでも眺めていたくなります。
建物自体は木造建築ということもあり、かなり傷んでいる印象を受けました。この美しさを後世に伝えていくためにも、今後も引き続き保護に努めていただきたいです。それに資するなら、拝観料ぐらい安いもの。近い内にまた訪れたいと思いながら境内を後にしました。