神仏霊場の札所の金峯山寺の参拝を主目的に、昨年の10月吉野に初めて訪れました。10月ということで、桜もなく紅葉にも早いということで人も少なく、ゆっくりと参拝し、静かな山間の道を歩くことができたのですが、やはり「一目千本」といわれる日本随一の吉野の桜を見ないわけにはいかない。そして、10月には、朝早く家を出たのですが、吉野神宮駅から金峯神社まですべて徒歩で移動したということもあり、時間切れで如意輪寺を参拝することがず、再訪したいと思っていました。
ということで、4月中旬、下千本の桜が満開のタイミングの週末に吉野山を再訪してきました。
一目千本・吉野山桜巡り
12/04/16
七曲り・下千本
吉野山には近鉄吉野線の吉野駅からロープウェイに乗るのが一般的です。しかし、11時頃に駅につくとロープウェイの駅は長蛇の列。待つ時間がもったいないのと、ここからロープウェイの山上の駅までを歩く「七曲り」と呼ばれる坂からの眺めは本当に素晴らしいので、ぜひ歩いてみてください。ロープウェイの駅までゆっくり花や景色を見ながらでも30分程度です。
あいにくの天気で、時々小雨も降っていました。しかし、そのせいか七曲りを歩いていると見える向こう側の山には靄がかかり、非常に幻想的でした。山全てが桜というわけではなく、緑の木々が茂る中、山肌の一角がピンクに染まっていて、そのコントラストも美しかったです。
七曲りの坂を30分ほど歩くとロープウェイの駅に着き、土産物や食べ物のお店が立ち並び、観光客もどっと増えます。桜に見とれていると人にぶつかりそうです。駅から金峯山寺の銅の鳥居あたりまでから見下ろす桜が「下千本」です。
金峯山寺・東南院
金峯山寺の仁王門前の桜は満開です。そして本堂蔵王堂では、特別御開帳として秘仏御本尊を見ることができます。1,000円と少しお高めではありますが、並べば内陣まで入り、大迫力の御本尊を間近に見ることができますのでおすすめです。
金峯山寺から少し歩くと枝垂れ桜で有名な東南院があります。こじんまりとした寺院ですが、枝垂れ桜と多宝塔の組み合わせが素晴らしかったです。
東南院からしばらく歩き勝手神社のあたりに来ると道がわかれています。今回は前回の吉野訪問時とは違う、如意輪寺につながる、向って左側の道を選びました。途中の五郎兵衛茶屋という広場でお弁当を食べましたが、休まず歩けば30分ほどで如意輪寺に到着します。
如意輪寺・中千本
この如意輪寺までの道のあたりが中千本です。想像していた「これぞ吉野の桜」という眺めでした。天気が悪くもやっていましたが、それでも本当に美しかったです。
如意輪寺にもたくさんの桜があり、特に多宝塔のあたりは眺めも最高でした。如意輪寺のページでも紹介しているのでご覧ください。
上千本
如意輪寺の裏門から出ると大きな駐車場があり、観光バスが止まっています。ここから上千本まではメインの道を歩くと1時間弱かかりますが、山の中を歩き、途中で吉野・宮滝万葉の道という自然道と合流する山道のコースもあります。今回はこちらを選びました。途中、本当に山道という感じで桜とは無縁の道を歩きますが、20分もすると急に展望が開けるところがあります。この辺りはもう上千本に差し掛かっているようで桜はまだつぼみでしたが、人も少なく、ゆっくりと遠くの中千本の桜を眺めることができます。小さく金峯山寺の蔵王堂も見えます。
さらに歩くと花矢倉展望台、そして吉野水分神社です。この日は奥千本の桜はまだつぼみ、帰りの特急の時間もあるので水分神社までにしました。残念ながら水分神社の桜もまだ咲いていませんでしたが、花矢倉展望台の眺めは本当に素晴らしいの一言です。
帰りはメインの散策ルートで吉野駅まで歩きました。途中、少し道をそれた民家に、本当に美しい枝垂れ桜がありました。朝とは打って変わった晴天にピンクの花が映えていました。
吉野駅を降りてから、全て歩き、ところどころ急な坂もありかなり体力は使いましたが、「日本一」と言われるだけある、本当に見事な吉野の桜を満喫できた1日でした。